ChatGPT・GPTs

GPTsで履歴書チェックを自動化!中小企業の採用を変える方法

当記事の要点

  • ChatGPTのGPTsを使えば履歴書の要約・スコア化を自動で行い、業務を効率化できる
  • 抽出精度は90%以上で、属人性を排除した公平な選考が実現できる
  • 導入には採用フローとの整合やナレッジ設定などの準備が不可欠
  • セキュリティ対策と社内ルールの整備により安全な運用が可能となる

こんにちは、FreedomBuildの駒田です。

採用活動において最初に立ちはだかる壁――それが履歴書や職務経歴書のチェック業務です。

中小企業やSaaS・IT・コンサル業界では、採用担当が他業務と兼任していることも多く、限られた時間のなかで大量の応募書類を目を通すのは大きな負担となっています。

しかも、通年採用や応募数の増加により、選考の初期段階における工数は年々膨れ上がっています。

目視による確認だけでは、重要な情報を見落とすリスクや、主観的な判断によるバラつきも避けられません。

こうした背景を受けて今、注目されているのが「GPTsを活用した書類選考の自動化」です。

AIによって応募書類の要点を抽出・要約し、スコアリングまで行うことで、人的負担を大幅に削減しながらも、正確性と公平性を高める選考プロセスが実現可能になります。

本記事では、GPTsによる自動選考ボットの導入メリットから、構築手順、そして実際の運用改善のヒントまでを丁寧に解説していきます。

書類選考ってこんなに大変!

採用担当者にとって、応募書類の選考業務は毎日発生する「終わりのない仕事」です。

特に中小のIT企業やSaaS企業では、採用専任の人員を置けず、総務や現場マネージャーが兼任することも多いため、業務負荷が常に高止まりしているのが現状です。

ここでは、そんな書類選考業務の「リアルな悩み」を分解して見ていきましょう。

応募が増えて目が回る

近年の求人市場は、エンジニアをはじめとするDX人材の奪い合いが激化しています。

その影響で、求職者の応募行動が変化し、1人で複数社に同時応募するケースが増加しています。

企業側も採用チャネルを増やすことで応募者数が増える一方、それに比例して書類チェックの工数も跳ね上がります。

  • 応募経路の多様化
    自社サイト、求人媒体、リファラルなど、多様な経路からエントリーが集まる
  • 定型フォーマットがばらばら
    履歴書形式に統一感がなく、読み取り・比較が難しくなる
  • 応募者対応も並行業務に
    メール連絡やATS登録などの作業も発生し、チェックに専念できない

これらの積み重ねにより、担当者は書類を見る前に疲弊してしまう状況に陥っているのです。

通年採用で止まらない作業

従来のような「春の一括採用」ではなく、通年での中途採用や第二新卒採用が主流になりつつあります。

これは企業にとってチャンスでもありますが、採用担当者にとっては「書類チェックが常に発生する」ことを意味します。

状況影響
通年採用が定着選考業務が年間を通じて継続する
入社希望タイミングが多様化書類受付のタイミングが読めない
部署ごとの採用依頼がバラバラ優先度判断が困難になる

つまり、1年中“突発的な書類対応”に追われる体制になってしまっているのです。

このような状況では、属人的な作業を続けることに限界があります。

書類の見落としや判断ミスも…

大量の応募書類を人手で確認する中で、見逃しや判断ミスは避けられない課題です。

特に中小企業では、採用基準や評価の仕組みが定式化されておらず、担当者の主観に頼った選考が行われがちです。

  1. 見落としが起きやすいパターン
    大量応募のなかに埋もれてしまい、本来評価すべき人材を見逃す。
  2. 判断基準が属人化
    担当者の経験や好みによって、評価にバラつきが出る。
  3. 候補者に説明できない選考理由
    後から見返したときに、なぜ落としたかを言語化できない。

このような非効率でリスクの高い選考プロセスは、企業イメージの低下や人材機会損失にもつながりかねません

今こそ、定量的・再現性のある書類選考の仕組みが求められているのです。

GPTsを使えばココが楽になる!

手作業に頼っていた履歴書の読み取りや評価を、GPTsが代わりにこなしてくれる時代が来ています。

膨大な応募書類に目を通す時間を大幅に短縮しながら、見落としのない公正な評価が実現できるのが大きな魅力です。

特に中小企業やベンチャー企業のように、採用専任者がいない環境においては、業務の省力化と質の向上を同時に叶えられる手段として注目されています。

要約・スコア付けが自動でできる

GPTsによる履歴書自動選考では、まず各応募者の情報を自然言語で要約し、評価項目ごとにスコアリングしてくれます。

この工程により、「この候補者はどんな人か?」「強みはどこにあるか?」といった概要を数秒で把握することができます。

  • 要点抽出の自動化
    応募書類から職歴やスキルなどの要素を抜き出して、自然な文章でまとめてくれる
  • 評価指標ごとのスコア付け
    経験年数や職種マッチ度など、あらかじめ設定した基準に従って自動で数値評価
  • 複数候補者の比較も楽々
    要約・スコアが揃っているため、複数名の比較検討も視覚的にしやすくなる

この一連の処理により、担当者は「読む→まとめる→比較する」工程を一気にスキップできます。

抽出精度はなんと期待90%以上!

AIを使ううえで気になるのが「本当に正確なのか?」という点です。

最近のGPTsは性能が大幅に上がっており、履歴書の情報抽出精度は期待90%以上と非常に高く、実用レベルに達しています。

評価項目抽出精度(概算)
職務要約94%
スキル項目92%
志望動機の文脈理解89%

この精度は、あらかじめテンプレート化された履歴書や職務経歴書で特に効果を発揮します。

フォーマットが整っていれば、見落としや誤解読のリスクがほとんどなく、安定した運用が可能になります。

もちろん例外的な表現や特殊な職歴の場合には手動確認が必要ですが、9割以上の応募者に対して「ほぼそのまま使える要約結果」を得られるのは大きなメリットです。

忙しい時期の業務がグッと軽くなる

採用の繁忙期は、ただでさえ他業務も重なり、一人で何役もこなす必要がある中小企業にとっては地獄のような時期です。

そんな時期にGPTsを導入することで、人的リソースの圧迫を防ぎながら、対応スピードと質を同時に向上させることができます。

  1. 3分かかっていた書類チェックが10秒に
    要約とスコアが自動で出るので、目視確認の時間が大幅に削減。
  2. 面接対象者の判断も迷いづらい
    客観的な評価スコアに基づくため、選考判断がブレにくくなる。
  3. チームでの意思決定もスムーズ
    誰が見ても同じ形式の出力なので、共有・承認もスピーディに。

このように、GPTsは「忙しいときほど導入すべき採用アシスタント」として、現場を確実に支えてくれる存在になるのです。

導入する前に準備しておこう

GPTsを活用した自動選考システムは非常に便利ですが、いきなり導入してもすぐに最大の効果を発揮できるわけではありません

しっかりとした準備がなければ、せっかくのAIも「設定が複雑」「思ったように動かない」と感じてしまう可能性があります。

ここでは、導入前に企業側で確認・調整しておくべきポイントを紹介します。

今の採用システムと合わせられる?

まず検討すべきは、自社で既に使っている採用管理ツール(ATS)やフローとの整合性です。

GPTsを活用する際、多くの場合は応募書類の取り込みや選考結果の出力などを他のツールと組み合わせる必要があります。

  • 既存のATSにアップロードできるか
    GPTsが出力したデータを、現行の採用システムにそのまま読み込める形式かどうかを確認する
  • フォルダやファイルの連携がスムーズか
    DropboxやGoogle Driveとの共有設定など、ファイル保存のルールも見直しておく
  • 最小限のカスタマイズで済む構成にする
    システム改修が不要な形でGPTs導入できるかを意識する

つまり、「GPTsをどう使うか」だけでなく、「今の業務とどうつなげるか」を考えることがカギになります。

履歴書のフォーマットを見直す

GPTsの情報抽出はとても高精度ですが、それでも入力データの形式が整っているほど性能が安定します。

そのため、自社で用意している応募書類のテンプレートや記入ルールをあらかじめ調整しておくことが望ましいです。

  1. レイアウトを統一する
    項目名・並び順・表現を揃えることで、AIの処理精度が大きく向上する。
  2. 記述欄の自由度に配慮する
    フリーテキスト欄が多すぎると情報が散らばる。必要な自由度と機械処理性のバランスを取る。
  3. PDF化ルールを明確にする
    画質やレイヤー構造が複雑なPDFは処理しづらいため、明確な保存ルールを共有する。

とくに複数媒体から履歴書を受け取る企業は、社内で標準フォーマットへの変換ステップを用意しておくと運用が安定します。

情報管理と社内ルールの確認

AIを業務に導入する際には、情報セキュリティや社内ルールの整備も不可欠です。

GPTsはクラウドベースで動作するため、社内外の機密情報を扱う上でのガイドラインを明確にしておく必要があります。

項目確認ポイント
個人情報保護応募者データをGPTsに渡す際、どの情報を伏せるかをあらかじめ定義する
社内権限誰がGPTsの操作を担当するか、編集・実行権限をどう分けるかを決める
ログ管理GPTsの出力結果をどのように保存・再利用するかをルール化する

また、GPTsの使用によって選考基準が明確になるため、その基準を全社的に共有する機会も必要です。

一部の部署や担当者だけがルールを把握している状態では、選考の透明性や公平性が損なわれかねません。

導入前の段階で、「技術面」「制度面」の両輪から備えることが、スムーズな立ち上げの鍵となります。

GPTs導入の手順をやさしく解説

GPTsを活用して履歴書選考を自動化するには、ある程度の準備とステップを踏む必要があります

といっても難しい操作はなく、手順さえ理解すれば、専門知識がなくても導入できます。

ここでは、「初めてGPTsを使う方でも分かる」導入ステップを、3つのフェーズに分けて解説します。

まずは基本設定からスタート

GPTsは、ChatGPTsの「マイGPTs」画面から作成できます。

GPTsの編集画面

ここで行う基本設定は、どのような業務を任せたいかをGPTsに伝える最初の一歩です。

  • GPTsの名前を決める
    「履歴書選考アシスタント」など、用途が一目で分かる名称にするのが理想
  • 指示文(システムプロンプト)を入力
    GPTsに任せたい作業内容を明文化。たとえば「履歴書を要約し、職務経験やスキルを抽出してスコア化して」など
  • 使用する機能をONにする
    ウェブ検索、画像生成、キャンバス、コードインタープリターなど必要な機能を選択。自動選考にはコード機能が必要な場合が多い

初期設定は直感的に操作できる画面になっており、特別なツールを用意しなくてもブラウザ上で完結します。

精度と再現性を高める「指示文」の書き方

GPTsに履歴書チェックを任せるなら、最初に伝える「指示文(システムプロンプト)」が命綱です。

これは、GPTsに「自分が何者で、何をすべきか、どう出力するか」を教える役割を果たします。

たとえば「履歴書を読み取り、要約とスコアを出してください」といった曖昧な指示では、出力にブレが出る原因になります。

一方で、評価項目・出力形式・文体・判断基準まで丁寧に書かれたプロンプトなら、誰が操作しても同じ品質で結果を再現できるようになります。

GPTsは“曖昧さを嫌うAI”だということを忘れずに、最初の設計にこそ時間をかけましょう。

以下は、履歴書選考アシスタントとしてのGPTsに設定するプロンプトの具体例です。

role: 履歴書選考アシスタント
task: >
  アップロードされた履歴書(PDFまたはテキスト)を読み取り、
  応募者の職務経歴・スキル・志望動機を要約してください。
  また、以下の4つの評価項目に対して各5点満点でスコアを付けてください:

  1. 職務経験の長さと関連性
  2. スキルの専門性・活用経験
  3. 志望動機の具体性と論理性
  4. 全体的な業務適性(自社求人とのマッチ度)

output_format: |
  【要約】
  - 職務要約:{{自然文で150文字以内に要約}}
  - スキル概要:{{自然文で150文字以内に要約}}
  - 志望動機:{{自然文で150文字以内に要約}}

  【スコア評価(各5点満点)】
  - 職務経験:{{n}}点
  - スキル:{{n}}点
  - 志望動機:{{n}}点
  - 業務適性:{{n}}点

rules:
  - 専門用語や固有名詞の読み取りが困難な場合は「読み取り不可」と記載してください。
  - 評価理由はスコアの根拠として必ず一言添えてください(例:「経験年数は長いが業界不一致」)。
  - 出力全体は400〜600文字以内に収めてください。

tone: ビジネス文書として適切な丁寧かつ簡潔な言葉で出力すること

このように、「誰に何をさせ、どう返してほしいか」を明文化することで、GPTsは初めて安定した振る舞いを見せます

特に履歴書選考のように、複数の項目を総合的に判断する処理では、出力の一貫性と透明性が評価制度そのものの信頼性にも直結します。

また、プロンプトは一度作れば使い回しができ、社内で共有・改善することも容易です。

初期の段階から丁寧に作り込んでおくことで、GPTsは単なるアシスタントから、採用業務を支える「仕組み」として機能するようになります

ナレッジファイルってどう使うの?

GPTsを業務レベルで活用する際には、「ナレッジファイル(知識ファイル)」の登録が欠かせません。

これは、GPTsに事前に覚えさせておくデータ群で、判断材料や抽出対象のルールとして機能します。

  1. 必要なファイルを準備する
    例:職種ごとの評価項目、スコアリング基準、サンプル履歴書など。形式はPDF・CSV・DOCXなどに対応。
  2. GPTs編集画面でアップロード
    「知識 ▸ ファイルをアップロードする」から、1GPTsあたり最大20ファイルまで登録可能。
  3. 機能設定で“コードインタープリター”をONに
    CSVやExcelデータを読み取らせるには、データ解析機能の有効化が必須。
ファイルのアップロード_1
ファイルのアップロード_2
活用用途対応ファイル形式
選考基準マニュアル.pdf, .docx
職歴データベース.csv, .xlsx
過去の履歴書.pdf, .jpg

ファイルを読み込んだGPTsは、あたかも社内ルールを理解しているように応答できるようになります

テストしてうまく動くか確認しよう

設定が完了したら、いきなり本番運用するのではなく、必ず事前テストを実施しましょう。

想定通りに動作しているかを確認することで、運用開始後のトラブルを未然に防げます。

  • 過去の履歴書で試す
    実際の応募データを数件用いて、要約結果やスコアの出力内容をチェック
  • 評価者目線でレビュー
    出力された内容が「人事担当者が見て納得できるか」を基準に確認
  • 想定外の入力に対応できるか確認
    たとえば、空欄や略歴が少ない書類にも対応できるようにしておくと安心

ポイント

  1. 1件ずつ出力テスト
    GPTsが出す要約とスコアが妥当かどうかを目視でチェックする。
  2. 出力内容の精度チェック
    誤認識や見落としがないかをチェックし、ナレッジファイルの修正につなげる。
  3. 複数人でレビュー
    採用関係者で共有し、実務に耐えうるかどうかを多角的に判断。

このプロセスを経ておくことで、安心して選考プロセスをGPTsに任せられる環境が整います

初期段階で丁寧に作り込むことが、長期的な業務効率化につながります。

GPTsに履歴書を読ませるときのセキュリティ対策

GPTsを業務に導入する際に、最も慎重にならなければならないのが個人情報や機密情報の取り扱いです。

特に履歴書のように、氏名・連絡先・職歴などのセンシティブな情報を含むファイルを読み込ませる場合は、セキュリティ設定を正しく理解し、適切な対策を講じることが絶対条件となります。

以下では、GPTsの仕様と具体的な安全対策について解説します。

GPTsは社外秘情報を学習するの?

まず理解しておきたいのは、GPTsが初期設定では「ユーザーの会話内容をOpenAIが保持・利用できる状態」になっているという点です。

つまり、履歴書のようなファイルを読み込ませたり、会話にその内容を含めた場合、そのデータが意図せずAIの学習素材になるリスクがあるということです。

項目内容
デフォルトの会話保存設定GPTsでは初期状態で会話内容を保持する設定がON
一時チャット機能の有無GPTsには通常のChatGPTsにある「一時チャットモード」が存在しない
編集可能な箇所「追加設定」にあるチェックボックスで手動変更が可能

特に注意すべきは、アップロードした履歴書ファイルの内容もやり取りの一部として記録される可能性がある点です。

これを防ぐには、次項で述べるように「会話データの使用」設定を確実に変更する必要があります。

「会話データの使用」設定を必ずOFFに

GPTsの編集画面には、「追加設定」という項目があり、その中に“GPTsで会話データを使用してモデルを改善する”という設定があります

このチェックを外すことで、アップロードした情報やチャット内容がAI学習に使用されることを防ぐことができます。

  • 初期状態ではONになっている
    作成後、手動でOFFにしない限り情報は保持される前提となる
  • 設定変更は編集画面の最下部にある
    画面を一番下までスクロールして、「追加設定」を開くことで表示される
  • 業務用GPTsではOFFが必須
    履歴書・職歴などの情報を扱うGPTsでは、必ずOFFに設定する必要がある

方法

  1. 編集画面を開く
    ChatGPTsのマイGPTs画面から対象GPTsを編集。
  2. 一番下までスクロール
    「追加設定」セクションを見つけて展開。
  3. 「会話データの使用」チェックをOFF
    チェックを外すと、以降のデータが学習対象にならなくなる。
会話データの学習を拒否する_1
会話データの学習を拒否する_2

このひと手間が、組織としてのデータ管理意識を体現する重要なステップになります。

安全に運用するための社内ルールとは

技術的な設定だけでなく、組織としての運用ルールを整備することも欠かせません

GPTsを導入する目的がどれだけ明確であっても、社内での取り扱い方に一貫性がなければ、情報漏洩や責任の所在が曖昧になるリスクがあります。

  • アップロードファイルの種類を明確に制限する
    氏名・電話番号・メールアドレスなどの個人情報は、匿名加工済みであることを原則とする
  • 出力された内容は必ず人が確認する
    自動生成された内容をそのまま外部提出しないよう、目視確認を義務づける
運用ルール推奨内容
ファイルの加工アップロード前に個人名・企業名は伏せる処理を施す
権限管理GPTsの作成・設定は管理部門が担当
利用範囲の制限共有リンクの発行範囲を限定し、履歴の管理を徹底

「安心して使えるGPTs環境」を整えることが、継続的な業務活用の基盤になります。

便利だから使うのではなく、安全だから継続できる――その意識が、セキュリティ意識のある組織づくりに直結します。

実際に使い始めた後の工夫いろいろ

GPTsによる履歴書選考の仕組みは、導入した時点でゴールではありません。

使いながら少しずつ改善していくことで、より実務にフィットした運用が実現できます。

ここでは、実際の運用フェーズで意識しておきたい工夫や改善の視点を紹介します。

改善ポイントを見つけるには?

使いはじめの数週間は、「何がうまくいっていて、何がうまくいっていないか」を把握する期間です。

運用を通じて改善点を見つけていくには、評価の視点をいくつか持つことが重要です。

  • 実際の業務負荷が減っているか
    手動で行っていた作業が、本当にGPTsで軽減されているかを確認する
  • アウトプットにブレがないか
    同じような履歴書に対して、似たようなスコアや要約が出ているかをチェック
  • 採用の質にどう影響しているか
    通過後の面接や採用率に変化があったかを記録する

改善点を発見するには、担当者の肌感覚だけでなく、数値や比較結果も参考にすると精度が高まります。

ミスの原因をチェックして修正

運用を進める中で「想定と違う出力」が出るケースもあります。

こうした場面では、すぐにGPTsが悪いと決めつけず、原因を丁寧に分析することが大切です。

  1. ナレッジファイルの構成を見直す
    情報が古い・分かりにくい・形式が不統一といった課題がある場合は、更新や整理を行いましょう。
  2. プロンプト(指示文)の内容を調整する
    曖昧な指示や長すぎる文があると、GPTsの挙動が不安定になります。シンプルで目的が明確な文に修正を。
  3. 出力例を収集して比較する
    正常な出力と異常な出力を並べて比較することで、どの条件が影響しているかが見えやすくなります。

こうした改善の積み重ねが、GPTsを“現場で信頼できるツール”に育てていくプロセスでもあります。

他の業務にも応用してみよう!

履歴書選考だけにGPTsを使うのはもったいない――そう感じたら次のステップへ進みましょう。

GPTsは自然言語処理に強いため、人が「読む・書く・判断する」あらゆる業務に応用可能です。

応用業務GPTsの役割
求人票の作成職種情報から文章生成・表現調整を支援
面接メモの整理文字起こし内容から要点を自動要約
社内研修資料の要点抽出長文PDFから必要な部分だけを抽出

このように、「AIに任せたいけど判断が必要」な業務ほどGPTsの真価が発揮されます

一つの導入事例を軸に、小さく応用領域を広げていくことで、社内全体の業務効率化につながっていくでしょう。

まとめ

中小企業やSaaS系の採用現場では、書類選考の負担が年々増加しています

特に限られた人員で対応するケースが多く、履歴書の見落としや判断ミスが発生しやすい環境です。

こうした課題を解決する手段として注目されているのが、GPTsによる自動選考の導入です。

GPTsを活用することで、履歴書の要約やスコアリングを自動化でき、人的負担を軽減するだけでなく、選考の精度やスピードも向上します。

導入にあたっては、事前のフォーマット整理やナレッジファイルの準備が鍵となりますが、それを乗り越えれば他業務への展開も視野に入る有効な仕組みとなるでしょう。

参考文献

駒田 隆成
駒田 隆成

ChatGPT 活用支援 / 構文設計者

-ChatGPT・GPTs